「海苔の流通と、私たちの仕事」

海苔は、どうやって届くのか

食卓に並ぶ“焼海苔”。
その一枚ができあがるまでには、実はたくさんの工程が関わっています。

海苔の原材料である「乾海苔」(ほしのり)は、全国各地の海で冬の間に養殖され、刈り取られたあと、生産者や共同加工場で「板のり」として加工されます。

  

その後、各地の漁協単位で「入札(せり)」が行われ、全国の問屋がその場で買い付けます。

私たち飯塚海苔店も、千葉・九州有明など各地の入札会場に足を運び、実際に海苔を見て、香りを確かめ、味を比較しながら仕入れています。


買っただけでは終わらない

入札で仕入れた海苔は、そのままでは商品にはなりません。
私たちの仕事はむしろ、そこからが本番です。

  • 「伸ばし(のばし)」という工程で海苔の状態を一枚一枚チェックし、等級ごとに分類された海苔をさらに細分化

  • 焼加工前準備として「火入れ(ひいれ)」で水分を飛ばし、乾燥をかけます。これにより長期保存が可能になります。

  • 商品別に焼き上げを行います。非常に重要な工程です。

  • 袋詰め、ラベル貼り、出荷準備

これらのすべてを、自社工場で職人たちが丁寧に行っています。


なぜ“問屋”が必要なのか

近年、「生産者から直接買えます」といった言葉も聞かれるようになりました。
もちろん、生産者の顔が見えることはとても大切です。弊社も取り組んでおります!(後日発売予定です)

しかし、海苔という食品は気候や場所で品質が大きく変わる繊細な商品。同じ海苔は二度と現れません。
良いものを選び、加工し、品質を安定させてお届けするには、「見る目」と「技術」が欠かせません。

私たちのような専門問屋の存在意義は、“仕入れ”と“仕上げ”を通して、食卓に安心と美味しさをつなぐことにあります。


結びに

一枚の海苔に、海の恵みと人の手の仕事が込められています。
飯塚海苔店は、これからも目に見えにくいけれど大切な仕事を続けながら、おいしさと想いをお届けしてまいります。