海苔屋が「黒の頂」に惹かれた理由

前回のコラムでは、今回の海苔を育てた木更津市金田漁協の生産者・斉藤正臣さんをご紹介しました。
今回は少し視点を変えて、私たち飯塚海苔店が今回の海苔をどのように見て、なぜ仕入れたのかをご紹介したいと思います。
新品種だから選んだわけではありません
「黒の頂」と名付けられたこの新品種の海苔は、今回初めて仕入れたものではありません。
昨年、一昨年の入札会でも、この品種の海苔を仕入れています。
ただ、私たちが「新品種だから」という理由で仕入れてきたわけではありません。
海苔は自然の産物です。
同じ品種であっても、その年の海の状況や生産者、収穫の時期などによって、色や艶、香り、味わい、食感は変わります。
そのため飯塚海苔店では、品種や名前だけで仕入れを決めるのではなく、入札会に出品された海苔を実際に見て、品質を確認し、自分たちの商品としてお客様にお届けしたいと思えるものを仕入れています。
これまで仕入れてきたこの新品種の海苔も同じです。
「新品種を買う」のではなく、その年、その生産者が育てた海苔そのものを見て判断してきました。

手に取った時点で感じた、今回の海苔の良さ
今回、斉藤正臣さんが育てた海苔を見たとき、まず目を引いたのが色艶の良さでした。
手触りもよく、私たちが好む肉厚な海苔。
手に取った段階で、食べなくてもサクサクとした食感が想像できるような海苔でした。
そして実際に食べてみると、口の中でほどけていくような口どけの良さがあり、それでいて味わいは濃厚。
さらに、食べたあとには海苔の甘い香りが鼻から抜けていきます。
新品種であることや、希少であることだけではなく、
一枚の海苔として、おいしい。
私たちが今回の海苔に惹かれた一番の理由です。
2,600枚の海苔を「慈海 黒の頂」へ
今回仕入れたのは、2025年12月6日に行われた千葉県漁連主催の初入札会に出品された、金田漁協・斉藤正臣さんの海苔です。
等級は「推〇特等」。

出品された2,600枚(100枚は品評会へ)を、入札の1ロットとして仕入れました。
決して多い数量ではありません。
この貴重な原料を、飯塚海苔店で一枚一枚丁寧に焼き上げ、「慈海 黒の頂」として皆さまへお届けする準備を進めています。
海苔を見て、選び、焼き、その海苔が持つ良さをできるだけそのままお届けする。
創業以来、海苔を扱ってきた私たちだからこそできる形で、この一枚をお届けしたいと思っています。
次回はいよいよ、海苔を焼き上げ、「慈海 黒の頂」が商品になるまでをご紹介します。
どうぞ楽しみにお待ちください。
